調性について
複数の曲を続けて演奏する場や、コンサートプログラム、あるいはメドレーで演奏する時や、曲の途中で転調する際の、調性についてお話しします。(無調音楽、民族音楽は除く)
まず、調は全部で24種類です。長調と短調がそれぞれ12ずつあります。
例えば主調がハ長調の時…
①同主調はハ短調、②属調(5度上)=ト長調、③下属調(5度下)=ヘ長調、④平行調(調号が同じ)=イ短調、⑤同主調(ハ短調)の属調=ト短調、⑥同主調(ハ短調)の下属調=ヘ短調、⑦平行調(イ短調)の属調=ホ短調、⑧平行調(イ短調)の下属調=ニ短調、
このように、主調に対して上記8種類の調を、近親調と言います。
そしてそれ以外の調を遠隔調と言います。
近親調はその名の通り近しく親しい間柄なので、馴染みが良いです。曲同志のつながりにも親和性が生まれますし、メドレーにする時も、次の調のドミナントで繋ぐなどすればコード進行もスムーズです。
遠隔調はスパイス?別の世界への飛躍…季節に例えると、小春日和から極寒とか灼熱、パステルカラーから突然原色の世界になったなど。なんとなく漫然とした時に、ハッとさせらます。
遠隔調では次の3パターンが好きで、よく用いています。
①半音上への転調(主調がハ長調なら変ニ長調)②長3度下へ転調(変イ長調)③短3度上へ転調(変ホ長調)
もちろん同じ調を続けても何の問題もないのですが、私自身としては避けていることの方が多いです。
クラシックの作品の1楽章〜3、4楽章といった楽章間は、基本的には近親調で書かれていることが多いようですね。
数曲を一つのまとまり、つながりとして演奏する際、特に曲間のトークなどでリセットされることがない時は、曲同志の調性関係も考えて、構成、アレンジしてみてはいかがでしょうか。