ピアノアレンジのこと

ここ最近、ピアノのアレンジに関するレッスンをすることが増えてきました。
楽譜から作者の意図を感じ取り、分析し解釈し、時間をかけてじっくりその曲と向き合い磨き上げていくクラシックピアノとはまた違う楽しさと難しさと奥深さがポピュラーやジャズピアノのアレンジ、即興にはあります。
私自身、アレンジや即興はとても好きで、どちらかというとその方面から音楽にのめり込んだのですが、(だから大学で作曲を専攻したのですよね)正直なところ、理論を整理して体系付けて学ぶということが音楽にかかわらず得意ではないのですね。
作曲というと、感性豊かとか、素晴らしいメロディふって沸いてくるようなイメージがあるかもしれませんが、それも勿論大切な要素ではあるものの、ある意味数学的な思考力と地道に推敲していく粘り強さが重要なんです。感覚だけでは限界があるのですね。
とは言え、美しいものを求める感性や耳はやはりなくてはならないものだと最近あらためて思います。

例えば、ドミナントセブンというコードがあります。G7(ソシレファ)とかC7(ドミソ♭シ)D7(レ♯ファラド)あたりは楽譜でもよくでできますでしょうか。このコード一つ取っても、どのような音の配置になっているのか、(G7だったら例えばソファレシ等)どの高さで弾くのか、どの音を省略したり、重複させているのかなどは、適当にそうしたのと、理論に裏付けされた自分の耳でこれが良いとしっかり聴いてそうしたのでは、全く違う音の印象になってしまうのですね。
そしてドミナントセブンというと、G7やらC7、D7と言った、なんとなくありきたりのコードでしょ!と思ってしまうかもしれませんが、例えばA♭7(♭ラド♭ミ♭ソ)やF♯7(♯ファ♯ラ♯ドミ)を弾いてみてください。すごく新鮮な響きに聴こえませんか?
さらに先程のように配置や高さを工夫したり、アルペジオで3オクターブくらい響かせてみてください。もうそれだけで、1フレーズの音楽が現れてきませんか?

複雑なテンションコードも勿論おしゃれで素敵なのですが、基本の3コードプラスドミナント7の響かせ方、演奏法をあらためて見直してみるのもより良いアレンジや曲作りのヒントになると思います。テンション、その他諸々のコードも全て3コードが出発点になっているからです。

 

 

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