式典での演奏
とある看護学校の宣誓式に行ってまいりました。
学校としても校歌を斉唱するのは3年ぶりで、誰一人として校歌を知らない、歌ったことがない中での校歌指導。
綺麗な校歌なのですが、歌詞は3番まで、2声部でハモるという難易度はかなり高めです。
そして宣誓式というのは、以前の戴帽式にあたるものだそうで、学生一人ひとりがナイチンゲール象から灯火を引き継ぎ、看護としての決意を表明するものです。
プロフェッショナルな職業としてなくてはならない、また、生半可な気持ちでは仕事にすることができない看護師という仕事。
ちょうど読後の、中野京子さんの著書、名画の中で働く人々の中に、看護婦(あえて看護士ではなく婦と書かれております)の章がありましたので少し引用いたしますと、『19世紀前半まで敬意を払われることのなかった看護婦だが、ナイチンゲールの登場により、医学に裏打ちされた看護法の実践、組織的、効率的な行動、優しく細やかな心遣い、夜もランプを掲げて病室を見回る熱意、その使命感と高いプロ意識から、白衣の天使、ランプの貴婦人という呼び名が捧げられ、看護婦全体の代名詞となってゆく…』とありました。
学生さんたち、校歌の練習で2回ほど伺った時は、あー、今時の若者だなぁ!などと思ったわけですが、今日の式では白衣を纏い、少し緊張した面持ちで、灯火を抱きながらゆっくりと舞台に整列します。私はその間、ピアノ演奏。
こうした場での演奏は、自分を出すというより、ただひたすら場の空気を感じ取りながら音楽を送り出すという感覚です。
静かなゆっくりしたクラシックを希望されていたので、バッハのアリオーソ、主よ人の望みの喜び等、4曲ほど演奏。
灯火を胸に舞台に並ぶ光景は、厳かで美しかったことでしょう。
プロフェッショナルを目指す学生さんたちに、心からのエールを送ります!