キーが勝手に下がっていた!?

キーボードや電子ピアノ、エレクトーンを使っている方、トランスポーズ(TRANSPOSE)機能ってご存知ですか?
これは、音の高さを半音単位で上げたり下げたりできる機能のことで、歌や楽器の高さに合わせて、キーを変えられる便利な機能です。
カラオケで歌のキーを上げ下げする時に、+とか−のボタンで調整しますよね?あの、音程コントロールのことです。
この機能を使うと、例えば+3の設定ですと、半音で3つ高くなります。鍵盤のの音を弾くと、ミ♭が鳴る、−2の設定でを弾くと半音2つ分下がったシ♭が鳴るといった具合です。

どんな時に使うのでしょうか。
例えば、ハ長調の歌の伴奏を頼まれて、練習してばっちり弾けるようになりました。ところがいざ合わせようとしたら、高音が高くて出ないから半音下げて弾いて欲しいと頼まれたとき。すぐ移調して弾くのが難しい時は、このトランスポーズ機能を使えば、もともとのハ長調で伴奏を弾いても、ロ長調の響きに変換して音が出るので、歌の人の要求に何なく答えることができるのですね。
実際、歌系の人って、プロ、アマ問わず、キーを上げて、下げてとサラッと要求されること、少なくないので、移調が苦手な人は使う手もありかと思います。

と、ここまでがトランスポーズの説明でした。

ここからタイトル談です。
先日、いざ本番で演奏しようとしたら、どういうわけかキーボードの設定がトランスポーズの−1に切り替わっていたのですね。セッティング時は何の問題もなかったのに。そうとは知らず、パッヘルベルのカノンを弾き始めました。ニ長調で演奏するのですが、メロディ冒頭ファ♯が、半音下がったファの音になっているではありませんか!

鍵盤上の音=頭の中でイメージしていた音と、実際に聞こえてきた音との予想だにしないギャップにえっ😵!?と固まりそうになりましたが、止まることも、途中で設定を変えるわけにもいかず、何事もない風に弾き続けました。変二長調のカノンの響きはすごく新鮮でしたね。勿論弾き終わって速攻でトランスポーズを0に戻して、他の曲の演奏を続けました。
本番は予想もしないことが時々ありますが、これは初めてでした…

トランスポーズ機能の使用、ピアノを始めたばかりの初心者の方は鍵盤把握の観点で混乱してしまうのであまりオススメできませんが、ある程度曲を弾ける方は、耳慣れた曲がキーを変えると新鮮に感じられるかもしれませんね。