音楽と共に
先日、たまたまつけたテレビで、若年性認知症の元ピアノ講師の方を取り上げていました。
最初から見なかったことが、かえすがえす残念ですが…
5年前に若年性認知症と診断された63歳の女性。
講師としても、演奏家としても活動されていました。
しかし、脳の萎縮で形の認識が難しくなり、楽譜が読めなくなり、
鍵盤と音が結びつかなくなっていきます。
一時は落ち込みピアノにも触れませんでしたが、チェロ愛好家の旦那様の励ましで練習を再開。
お二人でグノーのアヴェ・マリアを共演します。
『Eテレ ハートネットTV リハビリ・介護を生きる「二重奏で愛の調べを」』
つっかえながらも完奏を目指す女性。何度曲が止まっても、責めることなく、
「もう一度弾いてみる?」と穏やかに話しかける旦那様。
最後の後奏のピアノソロを祈るような眼差しで見守っておられます。
日々の生活には、計り知れないほどのご苦労があることかと思いますが、
お二人にとって、音楽を一緒に奏でるということが、喜びになり、励みになり、
絆をしっかりと結びつけておられるのだと思いました。
自分だったらどうか…今まで出来ていたこと出来なくなったり、忘れていってしまうって、
どんなに辛いことなんだろう。
セレモニーの現場でもよく言われることですが、亡くなった方も聴覚は最後まで残っているそうです。
ですので、ご遺族の方は最後の最後のお別れまで話しかけたり、
お好きだった音楽を演奏したりするのですが。
音の記憶ってそれほど染みついている、分かちがたいものなのですよね。
やっぱり私は、年を重ねて自由が利かなくなっても、どんな形であれ音楽を続けていきたいし、
また、そうありたい!と思う方のお手伝いをしていきたいと思います。
日々、音楽を演奏したり、レッスンで共有できることに感謝です!